2018/04/05 株主提案に賛成増える、3月総会、GMOでは4割超え、経営陣、丁寧な対話必要に

 株主総会で、株主が提案した議案への賛成が増えている。GMOインターネットが3月に開いた定例総会では株主提案への賛成比率が4割を超えた。最終的に可決された議案はなかったが「物言う株主」の言い分が賛同を得やすくなっていることを印象づける。ピークである6月総会では株主と経営陣が対立する事例が増えそうだ。

 3月に総会を開いた企業で4日までに会社が関東財務局に提出した臨時報告書をまとめた。GMOに買収防衛策の廃止を求める株主提案の賛成比率は45%。可決条件の過半数までわずかだった。

 GMOの熊谷正寿社長の同社株の保有比率は4割を超える。一方、株主提案を出した香港系ファンド、オアシス・マネジメント・カンパニーの保有比率は昨年末で5%にとどまる。買収防衛策に原則反対する方針を掲げる国内大手運用会社も多いことから、少数株主の大半が提案に賛同したことになる。

 他の株主提案も2~3割と比較的多くの支持を得たものが目立つ。帝国繊維に対し、取締役の任期を2年から1年に短縮するよう求める議案は賛成比率が28%だった。

 提案者のスパークス・グループの保有比率は6%。芙蓉グループに所属する帝国繊維は株の持ち合いが多く、スパークスを除く上位5者はいずれも芙蓉系だ。「他の少数株主から多くの賛同を得られたことは非常に心強い」(スパークスの阿部修平社長)。6月総会でも株主と経営陣が対立するケースが増えそうで、企業は株主と丁寧に対話するなど対応が求められそうだ。

主な株主提案が出た企業 賛成が目立った提案 賛成比率 
GMO 買収防衛策の廃止 45% 

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