2018/07/17 GMOインターネット―仮想通貨、採掘で収益期待

 GMOインターネットの株価が高値圏にある。年初来で約31%高と国内のインターネット大手の中でも堅調だ。注力する仮想通貨には昨年の勢いはないが、収益化の道が見え始めた仮想通貨の採掘(マイニング)事業に投資家の期待が集まっている。

 「仮想通貨はインターネットに匹敵する新しい発明だ」。6月5日、GMOの熊谷正寿会長兼社長が熱弁を振るった。舞台になったのは、新たに開発した仮想通貨のマイニング装置の発表会だ。

 GMOが仮想通貨を新たな成長分野として位置づけたのは昨年のこと。2017年5月に交換事業に参入すると、同年9月にマイニングにも進出した。交換事業は傘下のGMOコイン(東京・渋谷)が手がけ、採掘事業はGMOが北欧に自社設備を設けて取り組む。

 5月上旬に発表した18年1~3月期決算では仮想通貨の下落が響き、交換事業の営業損益は7億6000万円の赤字になった。その一方で採掘事業は、正味の売上高が17年10~12月の7倍近い6億1000万円まで増加。評価損を計上しながらも、営業損益は2000万円の黒字を確保した。

 自社で開発した採掘装置の発売にも注目が集まる。採掘の専用装置は中国のビットメイン(北京市)がシェアの大半を占める。GMOは数十億円を投じて採掘装置用の半導体チップを開発。計算速度で他社製品を上回るという。6月に1台1999ドル(約22万円)で注文を受け付けると100~1000台規模で発注があったようだ。

 ただ、仮想通貨そのものの価格変動は依然として大きい。健全化は道半ばで、GMOコインも3月に「システムリスク管理態勢」について改善命令を受けている。株高の持続には採掘事業で安定して稼げる姿をできるだけ早く示す必要がある。

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